教員の1冊『働く文学』

2019.1.18(金)

推薦の言葉(地域社会学科 教授 和田佳子)

働く文学

働く文学

本学教員からのご紹介です。

 「人はなぜ働くのか」、「どう働くのか」の問いは、就職活動を前にした学生や若者たちだけに向けられたものではありません。人生100年時代を生きる全ての世代に突き付けられた重要テーマです。
 本書の第1部は産業カウンセラーである著者の経験談。興味を惹くのは第2部の文学ガイドのパートです。小説に描かれた人間模様を“働く”視点で読み直すという趣向で、井上靖の『闘牛』、林芙美子の『放浪記』から、深沢七郎の『楢山節考』まで、著者がセレクトした書籍29冊がランダムに並びます。
 こうしてみると、小説の登場人物が紡ぐ物語に、“仕事”が占める比重がいかに大きなものであるかに気づかされ、深遠な悩みや辛苦に静かに対峙する人々の逞しさにも圧倒されます。
 「文学は決して正解を押しつけない。あるのは答えではなく、問いそのもの」と著者は言います。就活で疲れた学生の皆さんには、急がば回れ、文学の言葉に、しばし耳を傾けてみることをお勧めします。
 
書名 :働く文学
著者 :奥憲太(おく・けんた)
出版社:東海教育研究所
出版年:2017年
 
本はここにあります。