教員の1冊『欲望する「ことば」』
2018.11.29(木)
推薦の言葉(美術学科 准教授 鳥宮尚道)
本学教員からのご紹介です。
毎年、年末頃に新語・流行語大賞が発表されます。メディアをにぎわせた新たな「言葉」が取り上げられるわけですが、著者のいう社会記号とはこういったいつの間にかメディアによって作られ周知され、多くの人たちが使うようになった言葉のことを指します。「女子力」「美魔女」「イクメン」「草食男子」「おひとりさま」… 考えてみれば数多くの社会記号が登場していますが、一旦「言葉」として表れると私たちはその存在を否応無く意識させられます。多くの人が知るようになると、新たなビジネスやサービスも拡大していき、世の中に大きな影響を与えていくことになります。
なぜ人は新たな「言葉」を求めるのか。どのように生まれて定着していくのか。マーケティング、社会、人の潜在的な欲求にまで社会記号の持つ役割について掘り下げていく本著を通じて、言葉の持つ力と人の心理との仕組みを垣間見ることができるかと思います。
書名 :集英社新書
欲望する「ことば」ー「社会記号」とマーケティング
著者 :嶋浩一郎(しま・こういちろう) 松井剛(まつい・たけし)
出版社:集英社
出版年:2017年
・本はここにあります。