教員の1冊『せんはうたう』

2018.10.29(月)

推薦の言葉(音楽学科 准教授 高田由利子)

せんはうたう

せんはうたう

本学教員からのご紹介です。

幼少の頃から谷川俊太郎の詩、その詩が醸し出す世界観が好きでした。本書に出合ったのは、神奈川県にある子ども医療センターでコミュニティ音楽療法の実践をしていたとき。40以上の団体が所属するボランティアルームに置かれていた本書を取り1ページ目をめくった瞬間から谷川俊太郎の世界に浸りました浸るというより没入する感覚です。活字を追いながら頭の中には音楽がなっていました。絵を見ながら踊りたくもなってきました。そんな気持ちにさせてくれる詩集でした。つまり、諸感覚が同時に刺激されるのです。表現とは本来切り分けるものではない媒体であることを教えてくれているようでもあります。音楽教育実践ジャーナル12巻1号(2014)の特集で、谷川氏は以下のように語っています。“詩はなくても生きていけるけれども音楽はなくちゃ生きていけない”。しかし、言葉と音が共存するからこそ、私達は幾重もの感情を表現し理解できるのだと思います。

書名 :せんはうたう
著者 :谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)詩 / 望月通陽(もちづき・みちあき)絵
出版社:ゆめのある舎
出版年:2013年


・本はここにあります

 

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