教員の1冊『このつぎなあに』

2018.7.17(火)

推薦の言葉(音楽学科 学科長 千葉潤)

このつぎなあに

このつぎなあに

本学教員からのご紹介です。


子供の頃に読んで以来、いまだにこの童話が忘れられず、思わず手に取ってしまいます。
山奥に一人で住んでいるおじいさんのところに、毎晩、タヌキが赤鬼や大蛇に姿を変えてやって来ます。ところがその変装はどこか間違っていて、やがておじいさんはタヌキの仕業と気づきますが、むしろ楽しみながら騙されたふりを続けます。
雪も深まったある日、村里で一緒に暮らすために、おじいさんの息子が迎えにやってきます。久しぶりにおじいさんを訪ねたタヌキは、空っぽの家の中に手紙を見つけます。おじいさんが全てを承知のうえで、だまされてくれていたことを知ったタヌキは、ゆかいな日々を思い出しながら、その優しさと寂しさにぽろりと涙をこぼします。
シンプルな童話に大切なことを教えられます。いつでもどこでも(たとえおじさんになっても)、タヌキとおじいさんの心のしなやかさを忘れたくないものです。

書名 :このつぎなあに
著者 :山中恒(やまなか・ひさし)作/栗田八重子(くりた・やえこ)絵
出版社:あかね書房
出版年:1969年

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