卒業生の1冊『青空のむこう』

2016.9.30(金)

推薦の言葉(地域社会学科卒 竹次奈映)

青空のむこう

青空のむこう

2015年度 卒業生からのご紹介です。

 最近、絵本や児童文学に興味がある私がおすすめするのは、販売部数60万部以上のベストセラーでもある、『青空のむこう』(アレックス・シアラー著)です。この本は、主人公「ハリー」という少年が〈死者の国〉にいるところから始まり、ハリーが生きているうちにやり残したことを解決して〈彼方の青い世界〉へ向かうまでの、冒険ファンタジーです。
 「友達」「家族」「自意識」そして「五感」などの切り口から「生きていること」をテーマにストーリーが、進んでいきます。「命」がテーマですが、小学生や中学生から読めるような児童書であるため、ストーリーの中にはユーモアたっぷり、文章も一人称「ハリー」視点で書かれていてテンポよく読み進められます。
 しかし、児童書と侮るなかれ。読んだ後には胸の中に何かが残る、「震災」「戦争」というキーワードが飛び交う現代を生きる人におすすめできる1冊です。「ハリー」が〈死者の国〉で出会う、言葉を話せない原始人や同い年くらいの少年など登場人物も楽しみながら、ぜひ一読してみてください。

書名:青空のむこう
著者:Alex,Shearer
出版社:株式会社 求龍堂
出版年:2002年

本はここにあります