教員の1冊『母性愛神話の罠』(増補版)

2016.7.29(金)

推薦の言葉(保育科 講師 大澤亜里)

母性愛神話の罠(増補版)

母性愛神話の罠(増補版)

本学教員からのご紹介です。

 私がお勧めしたいのは、大日向雅美著「母性愛神話の罠」(増補版)です。この初版『母性愛神話の罠』が2000年に出版されてから今日までの15年の間に、子育てをめぐる状況はだいぶ変わり、様々な施策が展開されています。しかし、“母性愛の崇高な面だけを賛美する風潮”は依然として根強くあります。
 本書は、母性愛神話が母親である女性だけでなく、子どものいない女性、子ども、そして父親にもさまざまな形で弊害をもたらしていることを、実証的なデータおよび研究結果をもとに指摘しています。
 先月から専攻科1年生の基礎ゼミでこの本を講読し始めました。前回のゼミで発表した学生が「自分も母性愛神話の罠にはまっているかもしれない」と発言していましたが、保育について2年間学んできた学生が、この本をどのように読むのかとても楽しみです。
 女性(女子学生)だけでなく、ぜひ男性(男子学生)にも読んでいただきたい一冊です。

書名:母性愛神話の罠(増補版)
著者:大日向雅美(おおひなた・まさみ)
出版社:日本評論社
出版年:2015年

本はここにあります