学生の1冊『τになるまで待って』
2016.1.14(木)
推薦の言葉(地域社会学科 佐藤実結)
「親鸞エッセイコンテスト」奨励賞 受賞者からのご紹介です
私のオススメの本は、森博嗣さんの「τになるまで待って」です。森さんといえばドラマ化・アニメ化もしたデビュー作「すべてがFになる」が有名ですが、この作品はその続編である「Gシリーズ」の3作目にあたります。私立C大学の学生3人が森の奥にある別荘を訪れます。しかし、家主である超能力者・神居静哉が自室で殺害されます。その部屋は内側から鍵がかけられていて窓も開きません。完全密室の中、彼が死ぬ間際に聞いていたラジオドラマが「τになるまで待って」でした。この作品を面白いと感じた理由に、登場人物の一人、海月及介の存在があります。海月は前作で難なく事件を解決していますが、この作品では推理が難航します。しかし、事件は驚くほどシンプルにできていました。
異次元への移動、自由自在に天気を変えるトリック、鍵が“かかっていない”のに開かない扉―。最後まで展開がわからない面白い作品になっています。是非読んでみてください。
書名:τになるまで待って
著者:森博嗣(もり・ひろし)
出版社:講談社
出版年:2005年
・本はここにあります